愛知県の飲食業許可の設備要件と現地調査で重点的にみられるポイント

飲食業/HACCP

飲食業許可の設備要件とは

飲食業許可を取るための店舗の要件って、どんなのがあるんスかね?

順を追って見ていきましょう!

飲食業許可を取得するには、飲食店を営む店舗が設備要件を満たしている必要があります。この要件は現地調査で確認され、満たしていなければ再調査となってしまったり、改修工事が必要になる可能性もあります。

では、具体的にどのような要件が必要なのでしょうか。

まず、愚弟的な要件を見たうえで、調査で指摘される可能性の高い項目について紹介します。

飲食業許可の設備要件の法令

飲食業許可の設備要件は、食品衛生法等の法令で定められています。

なお、以前は条例での記載がメインだったのですが、あまりにも都道府県によって異なると許可申請も煩雑となってしまうので、令和3年6月1日から施行される改正により、ある程度基準が統一されました。

では、具体的に見ていきましょう。

食品衛生法での設備についての記載

食品衛生については食品衛生法に定められていますが、食品衛生法自体では具体的な基準を定められていません。

食品衛生法では、施設の清潔保持やねずみ。昆虫の駆除、その他一般的な生成管理について、厚生労働省令で具体的に定める旨が記載されています。

また、食品衛生法の基準に反しない範囲であれば、都道府県条例でも必要な規定を定められるとしています。

省令(食品衛生法施行規則)での記載

そして、厚生労働省令(食品衛生法施行規則)では、次のように定めています。

第六十六条の二 法第五十一条第一項第一号(法第六十八条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項に関する同項の厚生労働省令で定める基準は、別表第十七のとおりとする。

そして、別表17は次の通りです。ここでは、設備についての記載のみ抜粋します。少し長いですが、許可を取るためのみではなく、営業開始後、食中毒等を起こしてしまわないためにも重要なポイントですので、よく読んでおかれることをお勧めします。

別表第十七(第六十六条の二第一項関係)
二 施設の衛生管理
イ 施設及びその周辺を定期的に清掃し、施設の稼働中は食品衛生上の危害の発生を防止するよう清潔な状態を維持すること。
ロ 食品又は添加物を製造し、加工し、調理し、貯蔵し、又は販売する場所に不必要な物品等を置かないこと。
ハ 施設の内壁、天井及び床を清潔に維持すること。
ニ 施設内の採光、照明及び換気を十分に行うとともに、必要に応じて適切な温度及び湿度の管理を行うこと。
ホ 窓及び出入口は、原則として開放したままにしないこと。開放したままの状態にする場合にあつては、じん埃、ねずみ及び昆虫等の侵入を防止する措置を講ずること。
ヘ 排水溝は、固形物の流入を防ぎ、排水が適切に行われるよう清掃し、破損した場合速やかに補修を行うこと。
ト 便所は常に清潔にし、定期的に清掃及び消毒を行うこと。
チ 食品又は添加物を取り扱い、又は保存する区域において動物を飼育しないこと
三 設備等の衛生管理
イ 衛生保持のため、機械器具は、その目的に応じて適切に使用すること。
ロ 機械器具及びその部品は、金属片、異物又は化学物質等の食品又は添加物への混入を防止するため、洗浄及び消毒を行い、所定の場所に衛生的に保管すること。また、故障又は破損があるときは、速やかに補修し、適切に使用できるよう整備しておくこと。
ハ 機械器具及びその部品の洗浄に洗剤を使用する場合は、洗剤を適切な方法により使用すること。
ニ 温度計、圧力計、流量計等の計器類及び滅菌、殺菌、除菌又は浄水に用いる装置にあつては、その機能を定期的に点検し、点検の結果を記録すること。
ホ 器具、清掃用機材及び保護具等食品又は添加物と接触するおそれのあるものは、汚染又は作業終了の都度熱湯、蒸気又は消毒剤等で消毒し、乾燥させること。
ヘ 洗浄剤、消毒剤その他化学物質については、取扱いに十分注意するとともに、必要に応じてそれらを入れる容器包装に内容物の名称を表示する等食品又は添加物への混入を防止すること。
ト 施設設備の清掃用機材は、目的に応じて適切に使用するとともに、使用の都度洗浄し、乾燥させ、所定の場所に保管すること。
チ 手洗設備は、石けん、ペーパータオル等及び消毒剤を備え、手指の洗浄及び乾燥が適切に行うことができる状態を維持すること。
リ 洗浄設備は、清潔に保つこと。
ヌ 都道府県等の確認を受けて手洗設備及び洗浄設備を兼用する場合にあつては、汚染の都度洗浄を行うこと。
ル 食品の放射線照射業にあつては、営業日ごとに一回以上化学線量計を用いて吸収線量を確認し、その結果の記録を二年間保存すること。
四 使用水等の管理
イ 食品又は添加物を製造し、加工し、又は調理するときに使用する水は、水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第二項に規定する水道事業、同条第六項に規定する専用水道若しくは同条第七項に規定する簡易専用水道により供給される水(別表第十九第三号ヘにおいて「水道事業等により供給される水」という。)又は飲用に適する水であること。ただし、冷却その他食品又は添加物の安全性に影響を及ぼさない工程における使用については、この限りではない。
ロ 飲用に適する水を使用する場合にあつては、一年一回以上水質検査を行い、成績書を一年間(取り扱う食品又は添加物が使用され、又は消費されるまでの期間が一年以上の場合は、当該期間)保存すること。ただし、不慮の災害により水源等が汚染されたおそれがある場合にはその都度水質検査を行うこと。
ハ ロの検査の結果、イの条件を満たさないことが明らかとなつた場合は、直ちに使用を中止すること。
ニ 貯水槽を使用する場合は、貯水槽を定期的に清掃し、清潔に保つこと。
ホ 飲用に適する水を使用する場合で殺菌装置又は浄水装置を設置している場合には、装置が正常に作動しているかを定期的に確認し、その結果を記録すること。
ヘ 食品に直接触れる氷は、適切に管理された給水設備によつて供給されたイの条件を満たす水から作ること。また、氷は衛生的に取り扱い、保存すること。
ト 使用した水を再利用する場合にあつては、食品又は添加物の安全性に影響しないよう必要な処理を行うこと。
五 ねずみ及び昆虫対策
イ 施設及びその周囲は、維持管理を適切に行うことができる状態を維持し、ねずみ及び昆虫の繁殖場所を排除するとともに、窓、ドア、吸排気口の網戸、トラップ及び排水溝の蓋等の設置により、ねずみ及び昆虫の施設内への侵入を防止すること。
ロ 一年に二回以上、ねずみ及び昆虫の駆除作業を実施し、その実施記録を一年間保存すること。ただし、ねずみ及び昆虫の発生場所、生息場所及び侵入経路並びに被害の状況に関して、定期に、統一的に調査を実施し、当該調査の結果に基づき必要な措置を講ずる等により、その目的が達成できる方法であれば、当該施設の状況に応じた方法及び頻度で実施することができる。
ハ 殺そ剤又は殺虫剤を使用する場合には、食品又は添加物を汚染しないようその取扱いに十分注意すること。
ニ ねずみ及び昆虫による汚染防止のため、原材料、製品及び包装資材等は容器に入れ、床及び壁から離して保存すること。一度開封したものについては、蓋付きの容器に入れる等の汚染防止対策を講じて保存すること。
六 廃棄物及び排水の取扱い
イ 廃棄物の保管及びその廃棄の方法について、手順を定めること。
ロ 廃棄物の容器は、他の容器と明確に区別できるようにし、汚液又は汚臭が漏れないように清潔にしておくこと。
ハ 廃棄物は、食品衛生上の危害の発生を防止することができると認められる場合を除き、食品又は添加物を取り扱い、又は保存する区域(隣接する区域を含む。)に保管しないこと。
ニ 廃棄物の保管場所は、周囲の環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理を行うことができる場所とすること。
ホ 廃棄物及び排水の処理を適切に行うこと。

愛知県条例での記載

更に、愛知県条例では、下記のように定められています。こちらは、より具体的です。

別表第二(第四条関係)
一 共通基準
1 営業施設は、ごみ埋立地、湿地その他公衆衛生上不適当な場所に位置しないこと。
2 営業施設は、計画取扱量に応じた広さを有すること。
3 営業施設においては、食品又は添加物を製造し、加工し、調理し、保存し、又は販売する場所(以下「製造場等」という。)、器具又は容器包装を洗浄し、消毒し、又は殺菌する場所(以下「容器洗浄場」という。)、原材料置場及び製品置場は、間仕切りその他の方法により住居その他の施設から区画されていること。
4 製造場等、容器洗浄場、原材料置場及び製品置場には、冷却、保温、殺菌等を必要とする場合その他特別の理由がある場合を除き、十分に採光又は照明及び換気を行うことができる設備が設けられていること。
5 製造場等、容器洗浄場、原材料置場及び製品置場には、ねずみ、昆虫等により食品、添加物、器具及び容器包装が汚染されないような設備が設けられていること。
6 製造場等、容器洗浄場及び原材料置場には、食品、添加物、移動して用いる器具及び容器包装をそれぞれ衛生的に保管することができる設備が設けられていること。
7 製造場等には、原材料の洗浄設備及び従業員専用の流水式手洗い設備が設けられていること。
8 製造場等及び容器洗浄場には、計画取扱量に応じた数及び大きさの機械器具類及び容器包装が備えられていること。
9 製造場等及び容器洗浄場の機械器具類のうち、固定した機械器具類及び移動し難い機械器具類は、洗浄しやすい位置に配置されていること。
10 製造場等及び容器洗浄場には、飲用に適する水を十分に、かつ、衛生的に供給することができる設備が設けられていること。
11 製造場等及び容器洗浄場には、汚水を衛生的に屋外へ排出することができる設備が設けられていること。
12 製造場等、容器洗浄場、原材料置場及び製品置場の周囲の地面は、清掃しやすく、かつ、排水しやすいようにされていること。
13 営業施設には、更衣室が設けられ、又は更衣箱が備えられていること。
14 営業施設には、耐水性材料(厚板等水により腐食しにくいものをいう。以下同じ。)で作られ、ふたがあり、かつ、汚液及び汚臭の漏れない構造の廃棄物容器が備えられていること。
15 便所には、ねずみ、昆虫等の出入りを防ぐことができる設備及び専用の流水式手洗い設備が設けられていること。
二 業種別基準
1 飲食店営業
(1) (2)及び(3)に掲げる場合以外の場合
イ 営業施設には、調理場及び客席が設けられ、かつ、それぞれ一定の区画がされていること。ただし、客席の設置については、当該営業施設において客に直接飲食させない場合は、この限りでない。
ロ 調理場の床は、不浸透性材料(コンクリート、ステンレス、合成樹脂等水が浸透せず、かつ、さびないものをいう。以下同じ。)又は耐水性材料で作られていること。
ハ 調理場の側壁は、床面から少なくとも高さ一メートルまでの部分は、不浸透性材料又は耐水性材料で作られ、又は腰張りされていること。
ニ 調理場及び客席には、天井が設けられていること。ただし、客席の天井の設置については、衛生上支障がないと認められる場合は、この限りでない。
ホ 調理場には、器具及び容器包装の洗浄設備及び消毒設備又は殺菌設備が設けられていること。
ヘ 調理場には、食品を摂氏十度以下で保存することができる冷蔵設備が設けられ、かつ、冷蔵設備には、温度計が見やすい位置に備えられていること。
ト 放冷を必要とする食品を取り扱う場合にあっては、調理場の適当な場所に放冷設備が設けられていること。

現地調査の設備不足で改装が必要となる項目

上記で長々と規定を書きましたが、ここからは、現地調査で特に指摘の多い項目について紹介します。

まずは、満たしていないことで再調査となるのみでなく、改装までが必要となる可能性の高い項目をご紹介します。

1、適切な場所に手洗いがない

飲食店の厨房設備としては、原則として最低限、シンク2槽(食品用・食洗器用)とは別に、手洗い設備が必要です。

通常、2槽しかなければ要件を満たすことができませんので、手洗い設備を追加する工事をしたうえで再調査になります。

居抜きなら大丈夫だろうと思っていると、なぜか現地調査時には手洗い設備を付けたものの、その後勝手に撤去してしまっているケースもありますので、これは物件を借りる段階や内装工事をする段階から注意すべきです。

なお、ほとんど調理をしない場合には例外もありますので、もしシンク2槽と手洗いがない状態で許可申請をしたい場合には、事前に管轄の保健所に相談されてから工事をされることをお勧めします。

2、客室部分に調理器具や食品の保管庫が出ている

調理器具や食品は、原則としてすべて厨房内に収まっている必要があります。そのため、これらの貯蔵庫が客室に出ている場合には、原則として許可は通りません。

ただし、衛生上支障の少ないものの保管庫を客室内に置く場合には、例外的に問題ないとされる場合もあります。一方で、例えば調理用の肉が入った冷蔵庫を客室に置くのはどう考えてもNGですし、製氷機が客室に出ているのもNGです。

迷った場合には、事前に管轄の保健所に相談されると良いでしょう。

3、客室との区切りの扉がない

厨房と客室の間には、扉などでの仕切りが必要です。

腰までの高さのスイングドア等でも構いませんが、何もない場合には、扉を設置したうえで再調査となります。

4、調理場の天井の梁がむき出しになっている

調理場の天井は、ほこりの落下などを防ぐため、梁などが天井で格納されている必要があります。そのため、梁がむき出しになっているような場合には、こちらがむき出しにならないように工事の上、再調査となります。

その他再調査となる可能性が高い項目

また、工事までは必要とならない可能性が高いものの、再調査になる可能性の高い項目をご紹介します。

1、冷蔵庫に温度計がない

冷蔵庫には、庫内の温度のわかる温度計の設置が必要です。業務用であれば最初から附属しているものが多いですが、ついていない場合には自分で設置しなければなりません。

ホームセンターやネット通販でも入手できますので、調査までに準備し、設置しておくようにしましょう。

2、手洗いに消毒液(ハンドソープ等)がない

手洗い設備には手洗い用の消毒液の設置が必要ですが、無い場合には再調査となります。

ホームセンターやドラッグストアで購入できる家庭用のものでも構いませんので、きちんと備え付けておきましょう。

3、水道や排水が使えない

飲食業許可の現地調査の時点で、水道や排水が使えない場合には再調査となります。

さすがにこれらは営業上必要なので使えないままにすることはないでしょうが、検査時に使えるよう、タイミングに注意しておきましょう。

再調査にならないために

現地調査で再調査になると、再度の日程調整が必要となり、開業が遅れてしまいます。また、工事が必要となる場合には予想外の出費となってしまうでしょう。

そのため、できるだけ再調査とならないよう、事前準備が重要です。

居抜きだから大丈夫と思いこまない

居抜き物件なら問題ないと思われるかもしれませんが、実は居抜き物件だからといって100%問題がないとは限りません

許可申請時には要件を満たしていたとしても、その後改装などで要件を満たさなくなっている可能性もあるためです。

前のオーナーさんや賃貸業者さんが「大丈夫」と言っても、彼らは通常、飲食業許可のプロではありません。居抜きなら大丈夫と思いこまないようにしましょう。

保健所の事前相談を活用する

内装工事の前に管轄の保健所へ相談しましょう。手書きでも良いので、簡単な図面を持っていくと安心です。

また、通常、天井の様子などは図面では分かりませんので、心配であれば、写真や資料を持っていき相談されることをお勧めします。

行政書士を活用する

なかなかご自身で相談へ行けない場合や、面倒だという場合には、行政書士を活用されると良いでしょう。

なお、行政書士の業務範囲は幅広く、飲食関係を全く取り扱わない行政書士も存在します。飲食業許可業務を取り扱っているか、事前に問い合わせることをお勧めします。

なごみ行政書士事務所の飲食業許可申請サポート

弊事務所では、飲食業許可の申請を代行・サポートしています。また、深夜にも営業をするバーや居酒屋の場合に必要な、深夜酒類営業開始届の申請サポートも可能です。

ご依頼をご検討頂いている方は、下記コンタクトフォームまたはお電話にて、お気軽にお問合せください。

対応エリアと料金体系

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