以前BARだった居抜き物件。深夜酒類営業届は、100%大丈夫?

BAR・居酒屋開業(風営法)

深夜酒類届出と、居抜き物件

以前も深夜営業をしていたBARの居抜き物件を借りることにしたの。前も営業してたってことは、届出の要件も大丈夫よね?

以前もBARだったからといって、問題がないとは限りません・・。

バーや居酒屋を開業する際、そのお店を深夜0時以降にも営業する場合には、風営法の関係で「深夜における酒類提供飲食店営業の営業開始届」の提出が必要です。

そして、この届出をするには、「お店の場所」と「お店の構造」にいくつかの要件があります。

場所の要件

まず、深夜の営業の届出ができないのは、どの地域でしょうか。

風営法三十三条に次の規定があります。

4  都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、地域を定めて、深夜において酒類提供飲食店営業を営むことを禁止することができる。

つまり、深夜営業がNGである地域は、全国一律ではなく、都道府県条例で定めている、ということです。

では、愛知県ではどうでしょうか。下記は、愛知県の、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例です。下記のように記載があります。

第二十七条 酒類提供飲食店営業を営む者は、第一種地域にあつては、深夜において当該営業を営んではならない。

なお、第一種地域とは、都市計画法で定める第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域及び田園住居地域のことを指します。

つまり、愛知県では、これらの地域においては、お酒をメインで提供するお店の深夜営業はできないということです。そのため、これらの地域では、どう頑張っても届出が受理されることはありません。知らずに借りてしまったとしても、残念ながら、後から工夫してどうこうできる問題ではないのです。

構造の要件

また、BARを深夜営業するには、構造の要件もあります。

では、深夜営業の際に求められる構造とは、どのように規定されているのでしょうか。これは、風営法の施行規則に定められています。

(深夜における飲食店営業の営業所の技術上の基準)
第九十九条  法第三十二条第一項 の国家公安委員会規則で定める技術上の基準は、次のとおりとする。
一  客室の床面積は、一室の床面積を九・五平方メートル以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、この限りでない。
二  客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
三  善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備(第百二条に規定する営業に係る営業所にあつては、少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を含む。)を設けないこと。
四  客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
五  次条に定めるところにより計つた営業所内の照度が二十ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
六  第三十二条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第三十二条第二項 において準用する法第十五条 の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

おもに重要となるのが、マーカーを引いた部分です。なお、「見通しを妨げる設備」とは、仕切り、つい立て、カーテン、背の高い椅子(高さがおおむね1メートル以上のもの)を指し、壁のみが該当するわけではありませんので、これも注意が必要です。

椅子などは後から何とでもなるかもしれませんが、たとえば個室があるような場合には、大掛かりな工事が必要になってしまいます。

居抜き物件なら100%大丈夫?

深夜の時間帯まで営業する予定で店舗の契約をしたにも関わらず、その場所が深夜営業の届出ができない地域だったということや、構造上深夜営業が認められないということが後から判明しては、大変な損害です。

深夜営業を予定している場合には、店舗を借りる段階からその地域で深夜営業が可能かどうか、確認しておきましょう。

また、居抜き物件だからといって過信するのは禁物です。無届での営業は罰則の対象となりますが、もしかしたら元々の営業者さんは無届で営業をしていた可能性も0ではありません。

また、届出後に勝手に内装を変えてしまっている可能性もありますし、前の営業者さんの届出後に用途地域が変更されている可能性もあります。

実際に、既に居抜きで場所を借りてしまったあとで弊所へ弊所へご依頼くださろうとご連絡頂いたお客様で、調べてみたところその場所が営業できない地域だったケースも複数ありました。大変気の毒なのですが、その場合には、弊所でどうにかできる問題はではありませんので、オーナーさんと解約の交渉をして頂いて別の場所を探すか、その場所で営業するのであれば、深夜0時までにはお店を閉めるほかないでしょう。

居抜きだからといって信用することなく、きちんと事前に役所等で確認されることをお勧めします。

なごみ行政書士事務所の深夜酒類営業申請サポート

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