深夜酒類営業開始届。破産していたら受けられないか。

BAR・居酒屋開業(風営法)

深夜酒類営業開始届と要件

深夜酒類営業開始届って、届出のための要件はあるのかな?実は数年前に破産をしているので、心配で・・。

この届出は人の要件は特にありませんので、破産していても大丈夫です。それよりも、お店の場所や構造に注意しましょう。

深夜酒類営業開始届に、何か要件はあるのでしょうか。

営業者についての要件

まず、その営業者様についての要件は、特にありません。他の法令であるような「破産者はNG」とか、「5年以内に前科があるとNG」といったような欠格要件もないので、このあたりは特に気にされる必要はないでしょう。

ただし、「深夜における酒類提供飲食店営業」は、飲食店許可を取っていることを前提として行う届出です。食品衛生法の規定に違反したことにより処分を受けて、その処分終了から2年を経過していない人やこういった人が役員にいる法人は飲食店許可を受けることができません。

飲食業許可が取れないということは、イコール、深夜における酒類提供飲食店営業も行えない、ということですので、こちらも知っておきましょう。

場所についての要件

条例で定められた一定の場所では、届出できません。

都道府県によって異なりますが、愛知県では、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例」で下記のように記載されています。

第二十七条 酒類提供飲食店営業を営む者は、第一種地域にあつては、深夜において当該営業を営んではならない。

なお、第一種地域とは、都市計画法で定める第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、及び田園住居地域のことを指します。

つまり、上記の地域内でお店を借りてしまったりすると、用途地域が変更されない限り、どう頑張っても届出できない(=BARや居酒屋は深夜営業できない)ことになってしまいます。契約前に、用途地域はしっかり確認しましょう。

※前の営業者さんが深夜営業をしていたから良いだろうと思って借りると、実は前の営業者は無届営業だったとか、用途地域が変わって今は営業できない地域になっていた、ということもあり得ます。また、不動産屋さんは通常風営法のプロではなく、「ここは深夜営業できない地域ですよ」とは教えてくれない場合も少なくありません。借りてしまってから営業できないと分かれば大変な損失かと思いますので、必ず事前に確認されることをお勧めします。

お店の構造についての要件

深夜営業の際には、お店の構造にもいくつかの要件が定められています。

求められる構造は、風営法の施行規則に、下記のように記載されていますので、お店の賃借契約や内装工事の前に確認しておきましょう。

(深夜における飲食店営業の営業所の技術上の基準)
第九十九条  法第三十二条第一項 の国家公安委員会規則で定める技術上の基準は、次のとおりとする。
一  客室の床面積は、一室の床面積を九・五平方メートル以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、この限りでない。
二  客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
三  善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備(第百二条に規定する営業に係る営業所にあつては、少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を含む。)を設けないこと。
四  客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
五  次条に定めるところにより計つた営業所内の照度が二十ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
六  第三十二条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第三十二条第二項 において準用する法第十五条 の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

特に重要となるのが、マーカーを引いた部分です。なお、「見通しを妨げる設備」とは、仕切り、つい立て、カーテン、背の高い椅子(高さがおおむね1メートル以上のもの)を指し、壁のみが該当するわけではありませんので、これも注意が必要です。

営業者さんの要件がない一方で、お店の場所や構造には上記の通り要件がありますので、注意しておく必要があります。

なごみ行政書士事務所の深夜酒類営業申請サポート

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